ベーコンを作る・燻製&完成
前回
ここら辺から最も燻製らしい事をする。
このように肉の表面がカピカピになるくらい乾燥したらいよいよ燻煙する。買った燻製機を説明書の通りに展開してセットアップする。蛇腹折りになってる金属板を広げて金具を組み合わせるだけだから簡単だ。
そして肉を吊り下げる。燻製にムラができないように肉の表面が何かに触れ合わないようにする。
スモークウッドはガスバーナーかコンロで火を付け、付属の金属皿に載せて設置する。そして上にアルミ箔を乗せる。被せるのではなく、ただ乗せるだけでいい。燻煙中は肉から脂が垂れてスモークウッドの火を消してしまう可能性があり、このアルミ箔は脂よけだ。
15分ぐらい観察を続けて変化が見られなければここから2時間半くらい燻煙する。軒先で映画でも観ている内に燻煙は終わるだろう。ただし火の立ち消えには気を付けて欲しい。途中で消えたのに放置していたら、その間の時間をかなり無駄にした気分になる。
燻煙を始めて1時間後に一度内部を確認した。まだ色も薄い。
燻煙が終わるとこのようになる。アルミホイルで煙を遮ったからか、少しだけ色付きが薄いように感じられる。しかし燻煙前の不愉快な臭いはなくなり、代わりに食欲を増進させる匂いだけが漂う。だから恐らくは成功だ。
しかしこれは完成ではない。ここからもう一工夫をする。
燻煙によって表面の殺菌はされただろうし、燻製機の内部はだいたい60℃ぐらいにはなるから加熱殺菌もされるだろう。しかし温度の確認はしていないから低温調理器で再加熱して確実に殺菌する。
大きいジップロックに入れて水圧で空気を抜き、60℃で5時間加熱をした。これで焼かずにそのまま食べてもそれなりに安心して堪能できるベーコンになっただろう。
スライスしてみるとこんな感じだ。いいピンク色だと思う。そして厚切りだから歯ごたえがしっかりし過ぎてる。想定通り味は濃く、まさに保存食と言うべきか殺人的に塩っぱい。しかし酒の肴やご飯のお供にはいいだろう。野菜炒めやカルボナーラなんかにも使えて、抽出されるうま味は市販品の追従を許さない。*1
出来たては感情的な補正があって出来たてでいいが、一晩冷蔵庫で寝かせると味も落ち着いてスモーキーさも垢抜けた感じになるだろう。
保存については確かに燻製は保存食だが素人が製造したのだからできるだけ早めに消費すべきだ。
真空フードシーラーがあれば低温調理器での加熱はもちろん、長期保存にも役に立っただろう。他の事にも使えそうだから気が向いたら買うつもりだ。
それと今度は塩抜きをしっかり行うか塩漬けの塩を減らそうと思う。調味料的なベーコンではなく、食べて味わうベーコンが作りたい。