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ショウガで炭酸飲料を作る・準備

炭酸飲料を作ろう。ボンベに詰められた炭酸ガスを使うタイプではなく、大自然の恵みを利用する。それは我々のそばにある。

酵母だ。そこらへんにいる。酵母グルコースを代謝させて二酸化炭素を産生してもらう。発酵ソーダというジャンルで、健康志向の人間に人気らしい。

まずは天然酵母のタネを作ろう。ginger bugというものがあるようだ。

wellnessmama.com

 

材料

 

500mlは入るビンか何かを煮沸消毒しておく。その間に国産で信頼の置けるショウガを水洗いして皮ごと磨り潰す。材料を全てビンに詰めてフタをして振り混ぜれば培養の準備完了だ。

これでも砂糖は入れすぎではない。酵母は水分活性が0.88まで増殖できる。質量パーセント濃度50%の砂糖水でも水分活性が0.90ぐらいある。

ちなみに水分活性とは食品中を自由に動ける水の割合を示す。乾燥してればしているほど水分活性の値は低くなって腐敗しにくい。食品の保存性を示す指標として使える。*1

後は25~30℃の環境に置き、定期的に換気して振り混ぜてやれば勝手に培養が進む。温度は夏場なら適当な所に置いておけばいいが、冬場では厳しい。

なら加温してやればいい。

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かの低温調理器をインキュベーターのように使う。設定温度をいつもよりぐんと下げて30℃に設定する。30℃以上だと余計な菌の増殖を促進してしまうから温度管理には気を配るべきだろう。

所で、どうしてショウガを加えているのだろうか。干しぶどうを使った天然酵母の培養法があるし、白飯を巫女さんが咀嚼して唾液に含まれるアミラーゼで糖化させたものでも、最悪グルコース水溶液を放っておいても酵母は増殖するだろう。

しかし、ショウガについて興味深い研究を見つけた。

www.joho-kochi.or.jpショウガが酵母の増殖を助けるという報告だ。また、ショウガには一定の抗菌作用があるとされる。この2つの相乗効果で酵母を選りすぐっているのかもしれない。

そして、ジンジャーエールの原型になったジンジャービールという飲み物がある。有り体に言えばginger bugに始めから酵母を添加して発酵させるものだ。18世紀中盤のイギリスで発明されている。恐らく先人はこの選択性を経験的に利用していたのではないだろうか。

ビールと言えば、酵母はアルコール発酵して1分子のグルコースから二酸化炭素2分子と共にエタノール2分子も産生してくれる。しかし我々はアルコール度数1%を越えさせてはいけない。

まあそれは早めに切り上げればセーフだ。アルコール発酵は酸素が足りない状況で進みやすいので、定期的な換気が抑制してくれる。そもそもginger bugはそのまま飲む物ではないから諸々を気にしなくていいかもしれない。

ginger bugができるまで5日掛かる見込みだ。次回はginger bugを使った発酵ソーダができる頃を予定している。

 

Ball メイソンジャー ワイドマウス 500cc 48703

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500mlは入るビンか何かとして、巷で話題のメイソンジャーを使ってみた。分解できて構造が簡単なので消毒がしやすい。意外と便利だ。